こんにちは。
今日のテーマは「一番面白かったオファーについて。」


うちのスクール生で、いきなり100万円持ってきて「これで直接教えてもらえませんか?」とか、「株の運用やマネージャーをやってくれませんか?」とか言われたこともあります。
でも面白かったオファーというと、私の直接の知り合いで、今年40歳になるお笑い芸人の卵の話です。
●ある40才のお笑い芸人への、トレード指導

私は「わかった」と了解。(私は知り合いに普通に教えたりもしているのです。)「そんなにやる気があるのなら教えてやる!」と言いました。
取引には通常、必要な最低金額というものがあるわけですが、お笑い芸人は「今ちょっと現金が足りない」と言いました。私は「なるほど。じゃあ私がそのお金も出そう」と言って、そのお金も出して、教えはじめたわけです。彼はそんなに忙しくないはずなんですが、一人では全然勉強しない。勉強しないので、私が電話で連絡を取りながら「こうだよ、こうだよ」と、教えていきました。
半年経ったぐらいでしょうか。順調に30%くらい利益が出ました。
でも30%利益が出たそのタイミングの時に、そのお笑い芸人は「LINEの親会社が上場しそうだ!」と言いました。
「俺はそれに賭けたい!」と…。

●お笑い芸人は夢を追ってしまった……。

8倍なら、例えば100万円あったら1年後には800万手に入るわけですからね。人はそういう夢のある取引をやりがちなんですけれども、私の取引はそのようなやり方はしません。
「私の取引の仕方は違うよ」とLINE株を買おうとしているお笑い芸人に言いました。「今まで半年間、何を私から学んで来たんだ?そういう取引をしたいのであれば、もう私は教えない。
今後『やっぱり教えてほしい』と言ってきても教えない」ときっぱり言いました。「さあ、どうする?」
もちろんどれだけLINE株の取引のリスクが高いか、ということもきちんと説明しましたが、しかしそのお笑い芸人は「夢を追いたい!」と言いました。「俺はLINE株で勝負する!」。
「じゃあ分かった」と私は言いました。「じゃあいままでの取引は30%のところで手仕舞いにしよう。あとは自分で頑張ってくれ」
後々聞いたら、そのお笑い芸人はLINE株を結局買わなかったようです。
でもそのお笑い芸人の知り合いで、飲食店を経営している社長がいるのですけれども、そのお笑い芸人に勧められるままにLINE株を買って、非常に大きな損をしてしまった、ということになっていました。
(まさか「これ買った方がいいよ」と言って、利益がいくら出たら、いくらもらうとか、そういう取引はしていないとは思いますが。)

●「また教えてくれないか……?」
そのあと私とお笑い芸人の共通の知人が、そのお笑い芸人に言いました。「例えば年60%のペースで利益になってしまえば1000万の元金で、おまえの年商じゃないか。」
その時になって初めてそのお笑い芸人は「あ、そうだったのか!」と気づいて、「そういえばそうだな!」と気付きました。「また教えてくれないか」
いやいやいや!
LINE株の時の話覚えていないのかっ!
このお笑い芸人は、おいしそうな話があると――…いや、人間誰しもそういうものだったりするのですけれども――…
多分またそういう話に飛びつきたがるでしょう。体力的に考えるとどっちがいいか分かるものなのですが、なかなか正しい判断ってできないものですね。
「LINE株の時が人生の分岐点だったね……」と私は断りました。
まあ見捨てたわけではありません。
いまだに彼との交流は続いています。でも、儲かったらいくらちょうだいねとか、教えるからいくらちょうだいねとかいった関係じゃなくて、あくまで普通の付き合いになりました。
●まとめ
こういう生活をしていると私のところには色々なオファーが来ます。
私のところにリッツカールトンのシュークリームを持ってきた人もいました。
最初「お金は受け取れません」と断ったら、リッツカールトンのシュークリーム持ってきて「投資を教えてくれ」と。
まあそれは受け取って、教えたりもしました(笑)。ともかく。
あのお笑い芸人は、投資においては、あれが人生のラストチャンスだったんじゃないかなとは思います。
今回は、こんなところでしょうか。

